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インターネットの誕生以降の衝撃を DeepTechから始める技術立国再興戦略

Hello Tomorrow Japan Abies Ventures Mistletoe株式会社 ——————————————————–

自社の有する経営資源や技術に頼るだけではなく、社外からの技術やアイデア、サービスを有効に活用し、革新的なマーケットを創造する「オープンイノベーション」。この市場を創ってきたパイオニアであるCrewwは、大企業が持つアセットとスタートアップの持つエッジの効いたアイディアを組み合わせることで新規事業を創出し、国内に大企業×スタートアップのイノベーションを生んできた。新たな取り組みとして注目されているのが、オープンイノベーションコミュニティ「docks」。大企業の持つアセットとスタートアップが持つ柔軟なアイディア、最新のテクノロジーが化学反応を起こす起点として立ち上がった、リアルコミュニティである。 本記事では、「Deep Techとコミュニティの力で社会を変革する」をテーマに行われた、交流会の様子をダイジェストでお届けする。ゲストはDeep Tech領域に投資をするAbies Ventures、スタートアップエコシステムの構築を行うMistletoeと、DeepTechの力を使って新しいチャレンジをする方々と起業家や投資家を結びつける活動をしているNPO法人Hello Tomorrow Japan。 交流会はVCがピッチを行う“リバース形式”で行われた。日本から世界を目指すアントレプレナーに伴走し、共にスタートアップ界隈を盛り上げる影の起業家たちは、今何を思うのか。次世代のビジネスを創出する取り組みを追った。

  本交流会は、社会の変革を担うスタートアップとその成長を支えるVCの出逢いの場を提供することを目的に開催されている。「Deep Tech」とは、主にバイオ、ロボティクス、AI、宇宙開発、エネルギー、MRなどの分野において、破壊的イノベーションを生み出す最先端テクノロジーの事を指す。

日本のスタートアップエコシステムは、年々成熟しているものの、中国やアメリカなど、“起業先進国”から遅れをとっています。そのなかでもDeep Tech領域は、長い研究機関を要するビジネスです。そのため、資金調達に多くの課題が伴うこともある。

「日本の未来を担うスタートアップ企業が、チャンスを掴む機会はないだろうか?」という考えから生まれたのが、“VCリバースピッチ”だ。スタートアップから投資家・事業会社に向けたピッチの機会は数多くあるものの、逆のパターンは少ない。

なかでもDeep Tech領域のスタートアップ企業は資金調達・支援環境のハードルもさらに高くなっているという課題感から、スタートアップが「スタートアップ支援コミュニティ」を活用してさらなる飛躍を目指すため、VC各社がスタートアップに自社の投資実行の目的について・投資後のフォローアップの体制についてを論ずる機会を設けることができた。

サスティナビリティのある未来を目指し、次世代の課題を解決する

交流会の中心となったのは、VC3社による“リバースピッチ”。まずは、Mistletoe株式会社の中島氏よりピッチがあった。

image Mistletoe株式会社 Chief Investment Officer 中島徹氏

中島徹:Mistletoeは外部から「ベンチャーキャピタル」として捕らえられていますが、私たちは自社を“collective impact community”と定義しています。メンバーは事業会社出身の者が多く、スタートアップと寄り添うことを主眼に置いています。共に次世代の課題を解決するため、共同創業型の「スタートアップスタジオ」というアプローチをとっています。

アントレプレナーを育て、日本の社会問題を解決することが、私たちのもっともやりたいことです。主に、テクノロジーを介し、人間中心の持続的な未来を作っていくスタートアップに投資を行っています。アントレプレナーのみならず、研究者など、複数のバックグラウンドを持つ人たちと一緒に社会課題を解決していきたいのです。

さまざまな奏者で構成されるオーケストラが素晴らしい効果を生むように、様々なスタートアップ同士が集まる場を作ることで、一社で起こすよりも大きなインパクトを世界に与え、未来をより良くしていくことを目指します。

インターネットに次ぐ技術革新で、世界と戦えるスタートアップを創出する

中島氏に続き登壇したのは、ユニークで高度な技術を有する日本および世界のDeep Techスタートアップに投資を行うAbies Venturesの山口氏。

image Abies Ventures株式会社 Managing Partner 山口冬樹氏

山口冬樹:Abies Venturesは創設間もないベンチャーキャピタルです。Deep Techスタートアップのみに投資を行っています。ドメスティック市場だけではなく、世界を目指すような企業とともにビジネスを創出していきたいと考えています。

インターネットは世界を大きく変えましたが、情報流通や仕組みの革新以外の技術革新でも、世の中を進化させていきたいのです。

日本は久しく技術立国と呼ばれてきましたが、世界に通用するスタートアップはなかなか出てきていません。眠っている技術資産を掘り起こし、世界で戦えるスタートアップを育てていきたいと思っています。

グローバル規模のオポチュニティを、日本に届けたい

最後に登壇したのは、Hello Tomorrow Japanの渡邊康治氏。ワールドワイドに革新的技術の市場展開を促進する活動を行うコミュニティの話があった。

image Hello Tomorrow Japan 渡邊康治氏

渡邊康治:Hello Tomorrowは、リサーチをベースにした先端技術で新しい応用分野を開拓し、様々な産業・社会・環境等の課題の解決を目指すDeep Techスタートアップを支援しています。世界規模のコミュニティをつくっており、大企業やスタートアップを問わず、さまざまなバックグラウンドの方が参加しています。

海外の名だたる大企業がサポーターとして参加しており、お金を出資する以外にも手厚いサポートをしているのが特徴です。年に1回開かれるHello Tomorrow GLOBAL SUMMITには世界中の大手VCが集まり、スタートアップの方が世界レベルのVCと出会えるチャンスもあります。このサミットには3,000人を超えるスタートアップ関係者、投資家、事業会社などが集まり、Deep Techスタートアップの方に非常に有益な機会を提供しているのです。

Hello Tomorrowはパリに拠点を置いているため、メインは海外です。しかし今春東京にもローカルハブとしてHello Tomorrow Japanを設立し、今後本格的に日本でもコミニュティの創出を行うとともに、Hello Tomorrow JAPAN SUMMITを年末に開催する予定です。このコミュニティは、大学や研究所の研究成果など、先端技術をコアにして事業を行うDeep Techスタートアップを対象としています。

日本はまだまだスタートアップエコシステムが成熟しておらず、Deep Techにおいては尚更です。本日登壇されたVCさんとともに、私たちも有益な機会を提供する存在になりたいと考えています。

本日登壇した3名のゲストは、「世界で戦えるスタートアップを創出したい」と口を揃えた。日本が“起業先進国”となり、そして世界で戦うためには、意思のあるアントレプレナーと経験を持ったキャピタリストとの協力が不可欠。

こうした“リバースピッチ”もその一つ。トークセッションの終了後に行われたネットワーキングでも活発な動きが見られ、ここdocksを起点にビジネスが動き出す予感がした。

ライター:オバラ ミツフミ

(了)