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脳神経科学×ビジネスの最前線ココにアリ!「Brain Tech Meetup」

メディアシーク/西尾直紀氏 PGV株式会社/水谷氏 REMEM/森下氏

株式会社Crewwが運営する東京・虎ノ門のコワーキングスペース・dock-Kamiyachoで「Brain Tech Meetup ~世界のブレインテック動向と脳神経科学ビジネスの可能性を探る~」が開催された。「ブレインテック」「ニューロテック」「脳神経科学」。科学技術が発達した昨今、さまざまなメディアやビジネスシーンで脳科学領域の話題が取り上げられている。それらがどのように活用され、どのようなサービスやプロダクトに落とし込まれ、日常生活に浸透していくのか。本イベントでは脳神経科学、本領域の最前線で活躍する有識者を招聘しブレインテックの可能性に迫った。

■株式会社neumoの代表・若林龍成氏講演

イベントの前半は、CESや神経科学系の最新の学会発表や学術論文・研究会の調査やレポート通してneuroscienceの最新情報を提供する株式会社neumoの代表・若林龍成氏よりブレインテック領域の世界的な最新動向が語られた。 冒頭、若林氏は同社の理念として「(脳神経科学を使用した)人類の可能性の最大化」と語る。冒頭では「突然ですが、皆さん何時間ぐらい寝ていますか?」と会場に語り掛けながら「寝不足はアルツハイマーの原因になるたんぱく物質が脳に蓄積されるんです」と、私たちに身近な事象から脳神経科学領域の話に。本題のブレインテックの最新動向としては、「中国・韓国は国としてブレインテック領域に投資を表明している」「雑誌『エコノミスト』では巻頭特集で、AIの“ザ・ネクストフロンティア”として紹介されている」と明かされる。 さらに今年最大の動きとして、ヘルスケア製品・医療関連機器を中心とした電気機器関連機器メーカー・フィリップスがブレインテックに参入したことを挙げる若林氏。脳神経科学が睡眠をサポートする「“スリープテック”には大企業も注目し始めている」とのことだ。

メディアではあまり取り上げられることのない、同領域の最前線で活躍する若林氏ならではの話に、聴衆は熱心に耳を傾けた。

neumo http://www.neumo.jp/

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■ブレインテック領域で活躍するスタートアップ3社によるピッチ

1.メディアシーク・西尾直紀氏 株式会社メディアシークはイスラエル企業・Myndlift Ltd.と共に開発したスマートフォンアプリ「マインドリフト(Myndlift)」を使ったサービスを展開。取り付けた専用のヘッドセットから読み取った脳波で、キャラクターを動かす複数のミニゲームなどから構成されてる。ゲーム感覚で1回15分ほどのトレーニングを週に数回程度行うことで、集中力の改善などが期待できる、とのこと。 最後に西尾氏は「教育機関向けに日本の技術を結集したアプリも開発中」であることも明かした。

2.PGV株式会社・水谷氏 大阪大学の研究室発で、ウェアラブル脳波計の製造・開発を行なうベンチャー企業、PGV株式会社。「サイエンス×テクノロジーを集結させる脳波デバイスと、それを解析するAIをハード&ソフトを自製できる」と水谷氏は紹介した。 同社の製品として紹介された日本で唯一というシート型の電極脳波計は、27gという軽さ。 Bluetoothを使用し、ワイヤレスで連続的な測定が可能で、睡眠ステージの分類も自動的に、そして正確な測定ができるとのこと。予防医学の観点での活用を期待されているそうだ。

3.REMEM・森下氏 森下氏はピッチの冒頭、事業説明として「私たちは戸田恵梨香さんを救いたい」と語り掛けた。若年性アルツハイマーを患った女性と売れない小説家の恋物語であるドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)に引っ掛け、軽度認知症の改善に関する製品を手掛けていることをユニークに説明。難しい話が続く会場の笑いを誘った。 森下氏が目指すのは「認知症の予防、発症の引き伸ばし、認知の改善」だという。脳波を測定し、フィードバックをかけるいわゆるニューロフィードバックを駆使し、脳が好ましい状況に向かうことで認知機能の改善が期待できる。現状はヘッドセットを付けてPCで専用のアプリを使う形だが、「将来的にはヘッドセットも小型化し、タブレットなどで好きな映像を見ながら気軽にトリートメントが受けられるようになる」と語る森下氏。認知症の改善・予防を老人施設やスポーツジムなどで展開することを視野に入れていることも明かした。

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■パネルディスカッション

最後に、ピッチを行なったスタートアップ3社と若林氏が、パネルディスカッションでブレインテック、そしてニューロテック領域のビジネスの可能性を熱く語った。 まずはじめに、会場からは「ブレインテックやニューロサイエンスビジネスの領域と、他の事業との違いについての質問が飛ぶ。 西尾氏は「新しい事業をやる、という点では差がない」と前置きしつつ「企業に(ブレインテックのサービスを)説明してもオカルトチックというか、半信半疑にとられることがある」と現状はまだまだブレインテック領域の認知や理解が足りないことを明かす。だからこそ「さまざまな研究の論文やレポートをまとめた上で、企業へ話し(プレゼン)に行く」とのこと。 若林氏も「(西尾氏の意見と)全く同じですね。この分野は非常にセンシティブでデリケート。理屈が解かりづらいんですね。(説得させるための)エビデンスの必要性が非常に高い、という部分は他の分野とは違うところかもしれません」と同調した。 さらに「我々は大学発のベンチャーという強みを生かし、教授の先生方と積極的にタッグを組んでいる。デバイスを直に触れながら検証していただいて、それをエビデンスとして論文にしてもらっています。なので、スリープテックの領域はかなり現実的なアプローチができています」と水谷氏は語る。

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最後に「オープンイノベーションでやるとしたら、どんな企業とブレインテック領域を開拓する?」をテーマにトーク。「僕らはまだ立ち上げたばかりの企業。事業パートナーとして、脳科学をサービスに昇華させることができるのであればどんな企業でもウェルカム。認知症や医療以外のところでいうと、スポーツジムはポテンシャルがすごく高い。ジムに通っている高齢者の多くは認知症予防として通っていたりと、ボケ防止として期待されている。そういった予防策としてのブレインテック事業の可能性は、さまざまな領域に転がっているので、より多くの企業様と検討できればと思います」と、森下氏はブレインテックの可能性の高さを熱弁した。