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子育てをアップデート!子育Tech Meetup

ワーク・ライフバランスコンサルタント/大西友美子氏
子育Tech委員会 株式会社カラダノート/彦坂真依子氏
株式会社シェアダイン/井出有希氏
ハクシノレシピ/高橋未来氏
キズナシッター(株式会社ネクストビート)/中村暁志氏
株式会社レイブリー/作前雄也氏
株式会社Bonyu.lab/荻野みどり氏

核家族や共働き夫婦の増加により、“家族”という形が変化しつつある。それに合わせてビジネスの領域でも、仕事や子育てに忙しい人々をサポートするスタートアップやサービスが誕生している。多くはユーザーのニーズを細分化して提供されており、多彩なサービスが登場。本イベント「【パパママをサポートする】子育Tech Meetup」ではワーク・ライフバランスコンサルタントの大西友美子氏の講演をはじめ、斬新なサービスを通して世のパパ&ママの生活の困りごとを解決しているスタートアップ5社が集結。講演やピッチ、登壇者全員によるパネルディスカッションを通して、子育てに関する社会の現状や新潮流を探った。

■ ワーク・ライフバランスコンサルタントの大西友美子氏

まずはじめに、さまざまな企業でワークライフバランスに関するコンサルティングを行っている大西氏が登壇。ワークライフバランスにおいての自らの失敗談も語りつつ、次世代の働き方に関して“子育て”という切り口から語った。

「なぜ政府が主導になって働き方改革を実施しているのか、正しく説明できる方はいますか?」冒頭、大西氏は会場に語り掛けた。人口構造と経済発展には相関関係があり、「人口ボーナス期(※1)」と「人口オーナス期(※2)」それぞれに合った働き方が必要だと説明1990年代にボーナス期が終わり、少子高齢化のオーナス期真っただ中の日本では、主に3つの“働き方”が挙げられた。

① 男女共に働く
② 労働効率を上げる
③ 多様な人材・働き方を尊重する

上記のような社会構造を創出するには、働き方改革が必須。労働人口の確保が必要な中では、共働き夫婦が社会的にも望まれる。しかしながら子育てという壁は、女性の社会進出の妨げになることが多い。そこで活躍するのが、子育て領域をサポートするビジネスだという。上西氏も「子育てで人の手を借りることは、決してマイナスなことではないんです。いろいろな人の手を借りたり、関わることで仕事や子育ての質を上げることにもつながります」と語る。

最後に「ワークとライフは両立できます。子育てにしても介護にしても、その中での学びは必ずあって、それが自分の仕事に対してアウトプットすることができる。アウトプットがうまくできるようになると、充足感が増します。結果、子供にもまた笑顔で接することができるようになったりと、心身ともに充実させることができるのかなと思っています」と話し、基調講演を終えた。

※1=労働人口が多く、高齢者が少ない時期。自然に経済発展をしていく状態。インドネシア、タイなど発展途上国に多い。
※2=労働人口が少なく、高齢者が多い時期。経済発展に負荷がかかっている状態。主に先進国で多い。

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■ 子育Tech委員会 株式会社カラダノート 彦坂真依子氏

子育TechとはITやテクノロジーを上手に使って豊かな育児になることを意味するもので、株式会社カラダノートが2018年3月より提唱。

①育児の記録や共有の効率化になるもの
②育児の情報収集を効率化するもの
③育児にまつわる夫婦間のコミュニケーションの糸口になるもの

ITやテクノロジーを使って上記が実現し、その空いた時間で子供と顔を合わせ、ふれあいながら情緒的で豊かな子育てになることを目指している。

そのような現状について、「アメリカではスマート靴下などのIOTデバイスが普及し始めていますが、日本では子育てとテクノロジーの融合に曖昧さが残っている」と、彦坂氏は語る。日本の文化では、手間や時間を掛けることが美談として語られがちで、テクノロジーを駆使して子育てを効率化するとは言いづらい空気がある。
実際にカラダノートが現役の母親たちにアンケートを取ると、「子育てにテクノロジーを使うことは便利か?」という問いに97パーセントが「便利」だと回答。一方で「手作りや手間暇を掛けることが愛情だと思うか?」という問いには6割が「はい」と答えたという。現役子育て世代のどっちにも振り切れられない、という価値観が浮き彫りになった。

市場ではまとまり切っていない子育て×テクノロジーの領域を世の中に浸透させるため、カラダノート株式会社が発起人となり発足した子育Tech委員会。AsMamaやPIXTAなど全10社が参画し、「子育て現役世代へ、子育てにテクノロジーを取り入れることの利便性周知」「孫育て世代への共感・理解周知」として、様々な取り組みを予定しているという。

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■ スタートアップ5社によるプレゼンテーション

共働き夫婦や現役子育て世代の強い味方になり、ひいては日本社会の救世主にもなりうるスタートアップ5社からのプレゼンテーションが行われた。

①株式会社シェアダイン/井出有希氏
出張「作り置き」、料理代行サービスを運営する株式会社シェアダイン。家族のライフステージによってファミリーシェフを探すことができ、1回の訪問で3、4日間の作り置きを提供している。

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②ハクシノレシピ/高橋未来氏
ハクシノレシピは忙しい保護者に向けて幼児を対象に、「アクティブラーニング × 食事づくり」として出張レッスンを展開。料理を通じて“自分で考えて主体的に行動できる子“を育てることを目的としている。「キッチン学」のプロであるエプロン先生が顧客の自宅へ伺い、マンツーマンレッスンを行うサービス。 決められたレシピ通りに料理を作るのではなく、子どもが主体となってその日の冷蔵庫の中身や家族の好き嫌いなどを考慮して、自由な発想で楽しく料理ができるよう努めている。今後の展開としては、ハクシノレシピのオリジナルメソッドの開発・確立。リアルの教室の展開、そして大人や高齢者をターゲットにした幅広い事業への領域拡大を狙う。

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③キズナシッター(株式会社ネクストビート)/中村暁志氏
保育士、幼稚園教諭、看護師のみが登録している、ベビーシッターマッチングサービス。国家資格保有者が100%で、非常にリーズナブルにサービス利用ができ、0歳から12歳と幅広い年代のシッティングを行っている。

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④株式会社レイブリー/作前雄也氏
シニアOB・OGと、子どもを持つ現役社員をマッチングする「ikuzeee」。子どもの学童、塾、習い事の送り迎え、子どもの遊び相手など、人生経験豊富なグランドシッターが、子育てのサポートをする。ikuzeeeに登録されているキッズグランドシッターは長い間企業勤めをしていた経験のある人材のため、仕事に奮闘するママ・パパの気持ちに寄り添った子育て支援をすることが可能。核家族が増加する中で、子育て現役世代とシニア世代が協力し合って子育てをする社会を目指す。将来的にはシニア世代の生活のサポート領域のサービス展開を視野に入れる。

※2019年1月より、保育園・学童事業所と、保育人材のマッチングPFへとピボット。アプリから3ステップで、仲介業者を介さず保育人材にお仕事依頼ができるサービスとなっている。

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⑤株式会社Bonyu.lab/荻野みどり氏
世界初「母乳の質を分析して母子を健やかに育む」サービスを展開。「母乳絶対主義」ではなく、あくまで「母乳を分析してより良いものに」をモットーとしている。

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■ 参加者全員でのパネルディスカッション

最後は講演した2名とピッチを行った5名のパネルディスカッションへ。それぞれが起業した経緯を話した上で、現状の課題も語った。

高橋氏:自宅訪問型のサービスは、まだまだハードルが高いなと実感しています。自宅に入るというハードルに加えて、奥様の“城”でもあるキッチンに入るということはすごく難しいんです。

作前氏:弊社のサービスはB to Bで、企業の福利厚生として使用していただくので、まだ実績がない中で導入を促すのは難しいところ。ただ、育児というのがベースにありつつ、ニーズがある形に柔軟に変えていけると思っています。「こうでなければならない」という部分がないサービスなのは、逆に強みなのかなと思っています。

井出氏:やはり弊社もキッチンに上がり込むという部分はハードルが高いですね。加えて、弊社の主なターゲットが女性なのですが、女性は目新しいサービスへの反応が鈍い傾向にあるので、ホームページで丁寧に説明して女性の不安を一つでも消していくように努めています。

続いて、「新しい分野の市場進出」に関してセッション。

荻野氏:Bonyu.labの事業を始めた背景に、インターネットの検索数があるんです。「母乳の悩み」に関する検索数が一月に20万件ほどあったんですね。ただ、検索してヒットするのは信用性と説得力に欠ける記事しか出てこないのが現実で。「これじゃお母さんの悩みって何も解決されてない!」と思って、事業を立ち上げました。その中で理想の母乳というのは定義されていないことが分かったんです。それで、20万人のお母さんの悩みを解決できるんじゃないかなと思っています。

司会者:スタートアップ企業の創業者には、「世の中をこうしたい!」という熱いパッションが必要ですよね。荻野さんは本当に熱のある方。これからの動向にご注目いただければ。

荻野氏:今が(弊社の投資は)買いです!(笑)

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最後は、司会者から大西氏へ「ワークライフバランスに関する大手企業からの相談内容は?」との質問が。

大西氏:率直に「残業を削減をしたい」というところから入る事が多いのですが、私は「本当に残業削減したいんですか?」と、まずはつき返していて。というのも、企業のミッションを明確化したうえで作業効率の改善を進めていかなければ「残業の削減」自体が目的化してしまう恐れがあるんです。「効率化して(その空いた時間で)何をしたいのか」が見えてこなければ意味がない。本質を見失わないように、自分たちの会社の本来の姿を見つめ直すことが大事。それが理解できている企業ほど、働き方改革をはじめとした取り組みが上手くいっていますね。

と、子育ての抱える様々な課題を、テクノロジーでアップデートして解決していこうとするスタートアップの熱い想いがトークに花を咲かせ、この後のMeetupでも登壇者との有意義な意見交換が散見された。